
ヴィーラ・ヒラナンダニ/著 山田文/訳
金原瑞人/監修
インドの分離独立の話。イスラム教徒とヒンドゥー教徒でインドとパキスタンに分かれる。
主人公ニーシャーは、家を捨てて国境を越えないといけなくなった。
暴動、虐殺が起こり、異教徒に妻子を殺された男が泣きじゃくり、主人公も砂漠で死にそうになる。
これはガンディーの時代。作者の父の経験がもとになっているらしい。分断と対立の物語。
これは宗教による分断だったけど、何でも有り得るな。
痛み、悲しみを忘れてはいけない。
読むのが辛い本だったけど、料理人・カジとの交流が心温まる。
家族の一員であり、ニーシャーが日記をつけ始めるきっかけとなった人でもある。
読み終わってから表紙を見ると、ジンとくるんだなこれが。
以下ネタバレ注意
・医者である父親が、子供たちの体調を診て「もう1日はもつ」って告げるの、胸が痛くなった。
(だから今日のうちに水を見つけないといけない)
・水がなくて死ぬ目に遭って、異教徒の大人に殺されそうになったニーシャー。
これまで住んでいた家が他の誰かのものになるかもしれないのに、次にそこに住むだろう異教徒の家族が幸せだといい、と願う。
そんな風に自分は思えるだろうか……。
持っていけなかった人形が、誰か知らない女の子のサプライズになるといい、だなんて……。
「十二国記 白銀の墟 玄の月」でもあったけど、「この苦しみが自分で終わりになりますように」って思える境地って、想像もつかない。